「おーい、湊ー?」


目の前で手を振られて我に帰った。


「ん?」

「ちょっとぉ、大丈夫?」


リカの胸に抱かれたテニスラケットが目に入った。


「あっ ごめん。リカはこれから部活だもんね。
じゃ、帰宅部のあたしは帰るとするかな」


そう言って席を立つ。


「ねぇ湊もさー何か部活でもやったら?」

「あたしが?」

「うちの部だったら、いつでも歓迎だよん。特に部長がね?」


なんて意味有り気にニヤリとするリカ。


「もうっ、入るわけないでしょ!!」