一列ごとに通路を挟んで並ぶ座席。

なのに、あたしと辻之内の席だけいつの間にかくっついてる。

ただ席が隣ってだけで心の中でジタバタしちゃってたのに、この状況ってちょっとあり得なくない?


そ、そりゃね。
隣が辻之内じゃなかったらこんなに慌てたりしないよ。

他の一般ピープルな男子の誰かであれば……。

でも! あんたみたいなとんでもない美少年だから、こんなに焦っちゃってるわけ。

なのに、そーんなキラキラの目で微笑んじゃって……もうーっ。

どうしたらいいかわかんなくて立ちすくんでいたら、リカと目が合った。

ニコニコ顔でガッツポーズしてるけど、それに応える余裕なんて今のあたしにはナイ、ナイっ!