「時田?」


不意に呼ばれて、ビクッなんてしちゃった。


「なに?」

「ごめん、ちょっと寝てもいい?」


そして、突拍子もない申し出に驚いた。


「え。ね、寝るって?」


尋ねておきながら、返事を待たずにベッドの上へ沈みこんだ辻之内の体。


「実はさ、ずっと眠かったんだよね。悪いけどレポート進めててよ。わかんないことあったら、起こし………て――」


言ってる側から言葉はスローに放たれて、そして静かになった………。


「って、早っ!」


そりゃあビックリもするって。

家まで連れて来ておいて、一人でやれって? それで自分は眠いから寝るって?
もうっ意味わかんない! どういうこと!?


と、しばらく心の中で悪態ついてたけど。

いつまでも一人でボーっとしてたって始まらない。書くために来たんだし。

そら豆テーブルの前に座ったあたしは、よしっと軽く気合いを入れてレポート作成に取りかかることにした。