第二章・裸足のジュリアン


『もう、君とは会いたくない。もう、私の前に姿を見せないでくれ』


恋人からの、たった、ふた言だけの粗末な切れ文――。


「そんなこと言ったって、私、もう来ちゃったわ。歩いて……来ちゃった。あなたに会いに、ベルシナまで……ローレン」