「お父様・・・・・私、ジョウに生涯をかけたいわ。私の全てなの。
お父様が、今もまだ死んだお母様を愛し続けてるように、私にとってジョウは一生涯に唯一人の大切な人なの」
ミサは、涙ぐんだ声で父に語りかける。
サロンは、ただ何も言わずに黙ったままだ。
サロンは、いつかこの日が来る事はわかっていた。
恋愛には全く興味の無かったミサが、初めて恋をした相手。
それを知った時、サロンさえ一緒に喜び、娘の恋愛に協力したり、自分が恋愛をしている様に、一生懸命に励ましたりもした。その相手のジョウがミサの結婚相手なら申し分が無いはずだ。
しかし、ミサはサロンが生涯をかけ愛する今はいない妻の娘。ミサは妻の生き写しのように、本当によく似ていて愛らしく愛おしい。
サロンがミサに対し、過保護過ぎるのもそのせいだろうか?ミサはサロンの生き甲斐なのだから、ミサを手離すのは彼にとっても辛い別れになる。
しかしそんなサロンも、ミサとの別れの覚悟は既にしていたはずだ。雪が降り積もる季節には、サロンは遠い国へ行き、もう何年も戻って来なくなってしまうだろうから。
その事を二人に告げると、たぶん二人は離れるくらいなら結婚しよう、と言い出すに違いないと思っていた。
その時には結婚を許してやろうと思っていたのだが、自分がそんなきっかけを与えるよりも先に、ジョウにミサとの結婚の申し出をされるとは、思った以上に頼もしい男だ。
これ程に男らしく、しっかりした青年はなかなかいるものではない。逆に、サロンの方が頭を下げて、娘の事をお願いしたいくらいだ。
しかし・・・・・、二つ返事はしなかった。
サロンには一つの考えが浮かんだのだった――。
お父様が、今もまだ死んだお母様を愛し続けてるように、私にとってジョウは一生涯に唯一人の大切な人なの」
ミサは、涙ぐんだ声で父に語りかける。
サロンは、ただ何も言わずに黙ったままだ。
サロンは、いつかこの日が来る事はわかっていた。
恋愛には全く興味の無かったミサが、初めて恋をした相手。
それを知った時、サロンさえ一緒に喜び、娘の恋愛に協力したり、自分が恋愛をしている様に、一生懸命に励ましたりもした。その相手のジョウがミサの結婚相手なら申し分が無いはずだ。
しかし、ミサはサロンが生涯をかけ愛する今はいない妻の娘。ミサは妻の生き写しのように、本当によく似ていて愛らしく愛おしい。
サロンがミサに対し、過保護過ぎるのもそのせいだろうか?ミサはサロンの生き甲斐なのだから、ミサを手離すのは彼にとっても辛い別れになる。
しかしそんなサロンも、ミサとの別れの覚悟は既にしていたはずだ。雪が降り積もる季節には、サロンは遠い国へ行き、もう何年も戻って来なくなってしまうだろうから。
その事を二人に告げると、たぶん二人は離れるくらいなら結婚しよう、と言い出すに違いないと思っていた。
その時には結婚を許してやろうと思っていたのだが、自分がそんなきっかけを与えるよりも先に、ジョウにミサとの結婚の申し出をされるとは、思った以上に頼もしい男だ。
これ程に男らしく、しっかりした青年はなかなかいるものではない。逆に、サロンの方が頭を下げて、娘の事をお願いしたいくらいだ。
しかし・・・・・、二つ返事はしなかった。
サロンには一つの考えが浮かんだのだった――。

