「祖父は、人形の行方が他でも無い私の花嫁になる人が方だからこそ、人形を手放すことを了承した。恐ろしい事件が起こらないように、これからは私とミサがあれを見守っていかなければならないんだ」
(そういう事だったのか。サロンの事を透視した時も、そこまで詳しく見たわけではなかったから、まさかジュリアンがサロンに売約されていたなんて、知りもしなかった。しかし、あの店から人形が紛失していたら二人の婚約はどうなるのだろう?)
「ミスタージョウ、もしあの人形が貴方の店から紛失したり、何者かに盗まれでもしてしまった時は、貴方達の結婚はどうなるんですか?」
ハーリーは、つい気になって質問をした。なぜならば、それは現実に起こっている事なのだから。
「心配無用。人形はしっかり保管されてますから。鈍器でたたいても割れないような強いガラスが、人形を盗難から守っている」
「ミスタージョウ、私の“占い”は、良く当たります。急いでダルダへ帰って、人形を確かめる事です」
「・・・・・?」
ジョウには、ハーリーの言葉の意味が、何を意味しているのか、全く理解できない。とにかく二人で話をしていると、ジョウは、ただ不快な思いにさせられるだけだ。ジョウは、馬車を待たせているのをいい事に、話を反らし、その場を立ち去る事にした。
「何の事か分からないが、馬車を待たせているので、私はこれで・・・・・」
そう言って、立ち去ろうとしているジョウに、今はまだ何も言うまい、と、ハーリーは、ジョウに軽く会釈をして見せた。
結局、時間が無くなり、土産を買い損ね、踵を返し“舞踏会”の正門前に歩いてゆくと、丁度迎えの馬車が到着したところだった。ジョウは、急いで待たせていた馬車に乗り込んで、馬車を走らせるよう、ドルガン家の召し使いに命じたが、馬車の中でもずっとハーリーの言葉が気になって仕方がなかった。
「人形に、何が起きたと言うのだ?」
(そういう事だったのか。サロンの事を透視した時も、そこまで詳しく見たわけではなかったから、まさかジュリアンがサロンに売約されていたなんて、知りもしなかった。しかし、あの店から人形が紛失していたら二人の婚約はどうなるのだろう?)
「ミスタージョウ、もしあの人形が貴方の店から紛失したり、何者かに盗まれでもしてしまった時は、貴方達の結婚はどうなるんですか?」
ハーリーは、つい気になって質問をした。なぜならば、それは現実に起こっている事なのだから。
「心配無用。人形はしっかり保管されてますから。鈍器でたたいても割れないような強いガラスが、人形を盗難から守っている」
「ミスタージョウ、私の“占い”は、良く当たります。急いでダルダへ帰って、人形を確かめる事です」
「・・・・・?」
ジョウには、ハーリーの言葉の意味が、何を意味しているのか、全く理解できない。とにかく二人で話をしていると、ジョウは、ただ不快な思いにさせられるだけだ。ジョウは、馬車を待たせているのをいい事に、話を反らし、その場を立ち去る事にした。
「何の事か分からないが、馬車を待たせているので、私はこれで・・・・・」
そう言って、立ち去ろうとしているジョウに、今はまだ何も言うまい、と、ハーリーは、ジョウに軽く会釈をして見せた。
結局、時間が無くなり、土産を買い損ね、踵を返し“舞踏会”の正門前に歩いてゆくと、丁度迎えの馬車が到着したところだった。ジョウは、急いで待たせていた馬車に乗り込んで、馬車を走らせるよう、ドルガン家の召し使いに命じたが、馬車の中でもずっとハーリーの言葉が気になって仕方がなかった。
「人形に、何が起きたと言うのだ?」

