それから、ハーリーが周りのリクエストに答えてピアノを弾くと、貴方ははとても張り切って踊るの。


『新曲?』


初めて聴いた曲。とても素敵な曲だった。


『これは何て言う曲だ、ハーリー?』


ローレンも気に入ったようで、ハーリーに曲名を訪ねて、そしてハーリーは答えたわ。


『曲の名は“ジュリアン=クライン”』

『聞いたか?ジュリアン!君の曲だ!』

ローレンはとても喜んで、私の手をグイっと引っ張って、無邪気に笑いながら、再び楽しそうに踊り始めたの。


楽しい舞踏会だった)


あの二人の時間を彼は全て記憶のどこかへ失ってしまって、それを無理に思い出そうとすれば、彼はまた頭を抱えて倒れてしまう。

だから、過去の事はふれずに、今、そしてこれからの二人の時間を大切にしたいと思った。



『ローレンはダンスが好き?』

『ああ、大好きだ』

『私もよ! 一緒に踊りましょう!』


そして、誰もいない森の中の小さな家の庭で、二人は、鳥のさえずりをメロディの代わりにして踊っていた。


彼の病に負担をかけることなく、ジュリアンアンはローレンに過去を思い出させることなく、新たな愛を育てていた。