社長がうっかり喋ってしまったことは、もう仕方がない。 取り返しがつかないのだから。 ただ、私が怖いのは――。 「軽蔑、したよね……」 それだけだった。 「高校生が、こんな本書いてるんだもの。 しかも、同じ学校の生徒で。 ……気持ち悪いよね………」 才木くんがバラすなんてこと、しないとは思うけど。 心から、私を軽蔑するだろう。