「社長の……、息子さん?」
「うん……」
さいき出版。
昔から大手出版会社として有名で、今の社長の才木光国さんはさらに事業を成功させてきた人物として、とてもとても有名な方。
金の亡者で図太い性格かと思えば、こんな私のあんな小説を受け入れてくれた。
会えば私に声をかけてくれ、息子さんの話をしてくれる。
「うちにも神無月先生と同じくらいの息子が居てね」
にこにこと話してくれる彼は、金の亡者なんて者ではなく、息子好きのお父さん。
私の父親になって欲しいと思うぐらいだ。
「息子、さん……」
社長に可愛がられ、可愛がられてきたであろう、才木くん。
もう一度、言っておこう。
「ええええええええ?!!」


