才木くんが見せた本。 それは紛れも無く、私の本だ。 「当たってる……?」 才木くんの顔を見ると、本を直視出来ないとでも言わんばかりに、顔を真っ赤にさせている。 「その本、奈神さんが書いた……って」 ズルリと力が抜け、本が落ちる。 それと同時に、私もその場にヘタリとしゃがみこむ。 「……何で、才木くんが……?」 その言葉しか、見つからない。 「親が……」 親? 「ここの出版社の、社長で……。それで、聞いたから」 社長? え?