「……はっ?」 それ以外、言葉が出なかった。 好き? 何それ? 誰を? 私を? 「奈神みたいなやたら好戦的な奴、俺は好きかも」 「好きかも」って何? 意味が分からない。 「奈神?」 耳のすぐ傍で呼ばれて。 自分の耳が、熱くなるのを感じてしまった。 「……ッ離してください」 スルリと腕が解けるのを見ずに、立ち上がって階段を降りていく。 絶対、こいつにだけは こんな顔、見られたくない。