*** 学校は直ぐに終わってしまった。 確か、今日に弟さんに会わせてくれるんだった。 家に戻らず、制服のまま、出版社へと向かう。 出版社って、居心地が悪いけどな……。 歩くスピードを速め、時計を見る。 待ち合わせまであと1時間。 やけに早く着いてしまいそうだ。 「…凛子さんみたいな弟さんだったら良いのに……」 未だに担当の人が変わるのが、嫌だった。