何。
撮られたの、私。
「生徒とこういうふうに絡むのも、案外楽しいかもな」
ニヤリと意地悪い笑みを浮かべ、パタンと携帯を閉じる。
「消して下さい」
「嫌。こんな奈神超レアだし」
「私の顔なんか保存してても無意味でしょ。消せ」
携帯を奪い取ろうとしても、腕を上げられて、遊ばれる。
何で私がこいつなんかに弄ばれなきゃいけないの!!
ギリッと歯軋りを一つし、ターゲットを変える。
私の原稿。
左手で、携帯を返してもらおうとするフリをしつつ、右手は原稿の方へ。
そして、
この馬鹿教師の右手に、爪を立て、思いっきり引っ掻く。
すっかり無防備になった右手に、とどめをさす様に、パシッと平手打ち。
「っ痛…」
上から聴こえる声で、ひるんだかどうかを確認。
素早く原稿を取り、彼との間を空ける。


