それから連日、クラス全員での作業の結果、やっと完成した。
今は男子と女子に分かれて、衣装合わせをしている。
女子はまぁ……全然怖くない魔女やらメデューサやら狼やらが多い。
「ヨーロッパ風」にしたいのは分かるんだけど。
私は受付だから、制服のままだ。
脅かし役なんて、やりたい人がやればいいだけだし。
皆の衣装がありきたりなのは残念だけど、これはこれで可愛いかも。
なんて批評しながら、ぼんやり眺めていた。
「ねえ、やっぱりこれサイズ合わないよ?」
誰か一人がフリフリのゴスロリを持って困った声を上げた。
「え~?マイちゃんでも入らなかったの?どうしよう……」
「せっかく借りてきたから、誰かに着てもらいたいんだけど……」
「あ、ごめん!私受付に代わってもらってもいい?部活のと時間が被っちゃって……」
え?
「あ、笹野さんと実依ちゃん!ちょっとこっち来て」
ゴスロリを持った水城さんが手招きした。
嫌な予感を肌で感じながら、じりじりと近付く。
「笹野さんって身長高いよね……」
「うん、168だから無理かも……。ごめんね?」
「ううん!じゃあ実依ちゃんは何cm?」
「152……」
終わった。


