「先生はサボりでしょうね?」
「何でそう決めつけるんだよ」
「見た目」
「クラス見て回るのも立派な仕事だろ?」
「あーはいはい。そうですね」
ここに居たらずっと喋ってしまいそう。
早く切り上げて作業に戻らないと。
「じゃあ私はこれで」
「ああ、お前、原稿は……っ?!」
「学校で原稿とか小説って言葉言うの止めてくださいね?」
頬を捻り上げた右手をパッと離すと、また意地の悪い笑顔でこっちを見てきた。
「顔赤い」
「五月蝿い」
足早にその場を後にすると、他のクラスの女子たちがもう先生と喋っていた。
……ああいうのが好きなんだろうから、学校では話しかけないでいいのに。
そんなことを思ってしまう自分が恥ずかしくて、さっさとクラスに戻った。


