「それより、さっきまでこんな人数居なかったじゃない。どうしたの?」
「笹野ちゃんが呼んで来てくれたのー。皆優しいよねえ?」
チラリと希里が横で見た方を見ると、笹野さんの周りに部活組が集まっていた。
「良かったんじゃない?これで作業捗るし」
「笹野ちゃん一生懸命だもんねー!良かった良かった。あ、メロンパンいただきまーす」
「どうぞ」
今は皆メロンパンに群がっている。
今のうちにお茶でも買ってこよう……。
***
「あ」
自動販売機から緑茶を取り出した時に、先生の苛つく笑顔が見えた。
「お前サボりかよ」
「さっきまで動いてたんで休憩です」
「ああ、あのメロンパンのクラスな」
「行ったんですか……」
片手にはちゃんとメロンパン。
どうせ女子たちが「先生もー!!」とか言って渡したんだろう。
「お前の分は?」
「それ、私の叔母の店のなんです。帰りにいっぱい食べたので」
「そうか」
そう言って一口パクリ。
この人は本当に何を食べていても絵になる。


