その人の家は、私の家から そう遠くない。 だから、走って2、3分で着いた。 私は、玄関のドアの前に立ち、 インターホンを鳴らした。 ―ピンポーン… 『はい、どなた?』 その人のお母さんらしき人の声が、インターホンから聞こえた。 「あっ、栗原です! 栗原雅です!」 『あぁ。雅チャン。ちょっと待ってね。』 すると、玄関が開いた。 「雅チャン、どうぞ。上がって?」 お母さんは 優しく微笑んでくれた。