「そうですよ!

学校の先生になるんだったら、あたしみたいに扱いにくい子がいっぱいいるんだから覚悟しなくちゃ。

母子家庭で、親の職業は水商売。

お母さんは高校中退して、18歳であたしを産んだんです。

そんな子と遊んだらダメって言われたとかで、あたしと遊んでくれない子もいたし。

でも、あたしだってみんなと遊びたかったし、勉強もできるようになりたかった。

だから土曜塾へ来たんですよ。

友達から、お金がない人はタダで塾に行けていいね~、なんて言われたけど、そんな事気にしてられない。

だってあたし、将来の目標が決まったから、そのためにA高校へ行きたいの!」


一気にまくしたてたあたしに、渡辺先生は驚きながらもやっと口を開いた。


「目標、俺に教えてくれる?」