今の話でわかったこと。
渡辺先生は、あたしを女の子だと意識していない。
あたしはおばさんの話を聞いて勝手にうろたえただけなのに、嫌がっていると受け取られている。
きっと、戸惑ってたのが顔に出たんだ。
あたしが嫌なのは、おばさんの言葉じゃない。
本当に嫌なのは。
「子ども扱いしないでください……。
あたし、渡辺先生が思ってるよりずっと大人です。
まだ15だけど、精神年齢はハタチ超えてると思う!」
渡辺先生が、きょとんとした顔であたしを見つめている。
「ごめん、子ども扱いしたつもりはなかったんだけど、そう感じたなら謝るよ。
俺もまだまだ修行が足りないよなぁ」



