お昼の休憩時間になった。
「あれ? 今日は弁当じゃないんだ」
今は飛鳥の家に下宿している身のあたし。
キッチンを勝手に使っちゃまずいと思って、今日はパンか何かを買うつもりだった。
「はい、実は今、訳ありで居候の身なんです」
「その年で居候!?」
渡辺先生、声が大きいよ!
「この年だから居候になるしかなかったんですって」
「何で?」
「……お母さんが、交通事故に遭って入院中だから」
渡辺先生が、一瞬、とても気まずそうな顔をしてそれから言った。
「大変だったんだね。ごめん、何も知らなかった。
どっかへ食べに行こうか?」



