「でも、芹香がちゃんと勉強すればいいんですよね!?

先生、他の学校をお願いします。

M商業以外の公立高校へ進学させるために、頑張らせますから!」


お母さんが先生に、深々と頭を下げた。

その様子を、あたしは隣でただ見つめていただけ。


なんでそんなに、M商業以外にこだわるのかな。

ここはお母さんの母校……卒業はできなかったけれど。

嫌な思い出でもあるんだろうか?


「わかりました。ただ、今のままでは本当に大変ですよ。

……実は、ひとつ提案があるのですが。

『土曜塾』へ行ってみませんか?」