お母さんがリハビリから戻ってくるまでに覚えなくちゃ。
時間に限りがあると、それがまた集中できるポイントになる。
ふう、できた!
ベッドの上を片づけて、みかんを食べようかと思っていたら、ちょうどお母さんが戻ってきた。
「おかえり~」
「勉強、はかどった?」
「うん!」
教科書を片づけていたら、車椅子を押してくれた看護師さんが話しかけてきた。
「偉いね~。あ、中学3年生!? そっか、受験勉強だ」
「そうなんです。今まで全然勉強してなかったから、今焦ってるところで……」
「思い出すなぁ。私もそうだったよ!」
「え~? 看護師さんも?」



