「ううん、きっと飛鳥がいるから、みんなで辛いのを乗り越えたんだよ。
うちのお母さんはいつもあたしに言うもん。
『芹香がいるから頑張れる』ってさ。
だからあたしも、お母さんのためにできることから頑張ろうと思って」
「そうだね。あたしも受験勉強頑張って、立派な跡取りにならなくちゃ」
「飛鳥が跡継ぎだもんね。
お互い結構苦労してるよね~」
「ね~~っ!」
違う高校へ進学しても、ずっと親友だよ。
そう約束をして、あたしたちは眠りについた。
目が覚めたら、あたしたちの枕元にサンタさんからのプレゼントがあった。
飛鳥とおそろいのプレゼントの中身は、手編みの手袋。
「おとうサンタが、おばあサンタに発注してあったのかもね」
飛鳥と二人ではしゃぎながら『サンタさんありがとう!』と家じゅうに響くような大声でお礼を言った。