天使未満。


飛鳥の家は、3年前にお母さんが亡くなった。

今はおじいちゃん、おばあちゃん、お父さんと飛鳥の4人暮らし。

市内にいくつもお店を持つお米屋さんで、うちと違って裕福だけど。


「飛鳥は元々頭がいいもの。

あたしなんて頑張ってやっとこの程度だよ」


「何言ってんの!

すごいじゃん、こんなに急に成績上がったら、そりゃあみんなも妬んじゃうよ!

気にしないで頑張れ、渡辺先生と一緒にねっ!」


自分の順位表を取り出して、あたしの成績がどこなのかを見ている飛鳥。

……ちなみに飛鳥は常にクラスで5番以内だ。

そして、あたしと渡辺先生をくっつける妄想を膨らませているらしい。


「ねえねえ、ケータイ返してもらったらさ、その渡辺先生とツーショットしてきてよ!」


「ええっ!」