講義室の向かい側に、給湯室と自動販売機が置いてある。 「ココアでいい?」 「おごってくれるんですか?」 「もちろん」 熱々のココアの缶を渡されて、お礼を言うと 「出世払いな」 と返された。 一階のベンチでココアをいただくことになった。 「先生の冬休みの予定は?」 黙っているのが嫌で、とりあえず話を振ってみた。 「……地元に帰って、母校に顔出して、それから就活」 「え? 先生になるんじゃなかったの?」