渡辺先生は、ルーズリーフを一枚取り出し、ペンを走らせた。
1、自分はどんな型なのか知る!
「俺の場合は、短期決戦型だって言ったよね。
日ごろからコツコツ勉強するタイプではなかったんだ。
前に覚えたことなんて忘れちゃうから、とにかく短期間で詰め込むのが性に合ってた。
逆に、毎日少しずつ覚えていく方が、定着するっていうタイプもいる。
残念ながら星沢さんはもう、強制的に短期決戦型で行かなきゃ間に合わないけれど、これから先のことを考えて、自分はどっちなのか見極めるといいよ。
次に、勉強方法もいろんなタイプがあるんだ。
ひたすら書いて覚えるタイプ、暗唱するタイプ、両方組み合わせるタイプ。
どれでもいいけれど、暗唱タイプはどこでも覚えられる分、漢字が書けなかったりするから注意が必要だよ。
俺は書いて覚える方だったけど、テスト前にノートがびっしりになるとそれだけで満足しちゃったりしてさ。
いっぱい書くのが目的じゃなくて、書いて覚えなきゃ意味ないんだけど、すっげー頑張った気分になって詰めが甘くなるのが難点だな」