この巨体から繰り出されるアタックは、かなりのものなんじゃないだろうか。


「じゃあ、高校もバレーが強い学校へ行った、とか？」


「いや、ごく普通の進学校にしたよ。

そこは男子バレー部も潰れちゃったような学校でさ、俺も仕方なくハンドボールへ入部したんだ。

結構冷静な中学生だったから、高校までバレー続けたとしても、実業団へ入れるほどの実力は自分にはないって思ってたし。

それでもスポーツは好きだから、色々やってみるのも悪くないと思った」


「……渡辺先生のすごいところって、文武両道ってヤツ？

筋肉バカじゃなくて、ちゃんと勉強できてたから、進学校へ行けたんでしょう？」


あたしがちょっと賞賛の眼で見たら、渡辺先生は嬉しそうな顔をした。


「まあね。俺、根性はあると思うよ。

でも、受験勉強は根性だけじゃダメなんだよな」