「だって、いくら教科書開いたって、わかんないから手のつけようがないんです!
時間ばっかり過ぎて、一問も解けないなら時間の無駄でしょう?
だいたい、何で普段使わないようなこと勉強しなくちゃならないのかがわかんない。
因数分解なんて、覚えたからって何かの役に立つとは思えないし!」
つい、目の前の渡辺先生を睨みつけてしまったけど、ムカつくからしょうがない。
なのに、余裕で笑っているのがさらに腹立つ!
「そっか、なぜ勉強しなくちゃならないのか、その話からしなくちゃいけなかったね。
難しいよな、俺もたまにわかんなくなるよ」
「……先生も?」
「もちろん。因数分解ならまだいいさ。
俺の大学の専門だって、普段の生活には何の役にも立たないよ」



