「……もう、大丈夫です。
離してください」
口ごもりながら、渡辺先生から離れようとしたのに。
さらに強く引き寄せられてしまった。
「そのまま聞いて欲しい。
あの頃の芹香の気持ちが、まだ変わっていないなら。
俺の決意を述べるチャンスが欲しいんだけど」
い、今、この状況で!?
でも、顔を見なくて済むのはもしかしたら好都合かも。
だって、今のあたしは絶対耳まで真っ赤で、ゆでダコみたいになってるはず。
こんなのお見せできません!
「聞かせて下さい」
渡辺先生に抱きしめられたまま、あたしは返事をした。
メニュー