1時間ほどドライブして、着いたのは郊外のカレー屋さん。

いろんな雑貨も置いてあって、お店の中は色とりどりの民族衣装や楽器、アクセサリーが並んでいる。


「まだお昼には少し早いから、空いてるね」


お客さんはあたしたちだけ。

向かい合って座るだけで、ドキドキした。

渡辺先生と最後に食べたのも、カレーだったっけ。

うさぎちゃんがいっぱいのメルヘンなお店で、ひたすら浮いてた大きな体がおかしかった。

同じカレーでも、このお店だったら、とてもしっくり来る。


「お、渡辺! 久しぶりだなぁ。

いらっしゃい。

これはまた、可愛い子連れて来て……隅に置けないな」


お店の人から言われたこの台詞。

前にお蕎麦屋さんへ行った時と同じだった。

あの時は中学生だったあたしを、さんざん子ども扱いされたっけ。

今は……?