4月になった。
めでたく看護学校に入学したあたしは、寮生活を楽しむ余裕もないほど勉強している。
たった3年間で、人の命を預かる重要な仕事をこなさなくてはならない。
当然、勉強はとってもハードだった。
飛鳥も大学生になって、1人暮らしを始めた。
毎日長電話してるけれど、大丈夫。
だって飛鳥とは家族間通話だから、無料だもの!
離れていても、あたしたち家族は仲良くやっている。
看護学校の先生は、ほとんどが元看護師さん。
みんな子育てしながら働いたベテランナースで、授業中たまに先生の私生活ネタも聞ける。
「確かに肉体的にも、精神的にもきつい仕事です。
でも、だからこそ一生を捧げられるやりがいのある仕事ですよ」
先生の話は、数年後、数十年後のあたしたちの姿なのかも知れない。