天使未満。


「あたしは芹香が大好きだから、芹香のお母さんだって好きになれるよ。

おじいちゃんとおばあちゃんのことは、お父さんが説得するから大丈夫。

でも……『お母さん』って呼べないかも」


「あたしだって『お父さん』って呼べないかも知れない。

そのうち、ゆっくり家族になれたらいいよね」


「うん。あの二人の様子だと、割とすぐにくっつきそうな気もするけど、あたしたちはのんびりでいいよね」


「二人がおじいちゃんとおばあちゃんになっても、あんな風に仲良くしてくれたらそれでいいよね」



大人は知ってるだろうか?

あたしたちはもう、何も知らない子どもじゃない。

苦労の分だけ、早く大人になるってことを。

泣いた分だけ、強い人間に育つってことを。

与えられた優しさの分だけ、大きな心になったということを。