1週間ぶりに見るお母さんは、とても元気そうだった。
血色が良くて、すっぴんなのに二十代で通用しそうな感じ。
お母さんって、こんなに可愛かったっけ?
飛鳥のお父さんがあたしに場所を譲ってくれた。
「銀行へ行くついでに、様子を知らせようと思ってちょっと寄ったんだよ。
芹香ちゃんが来てくれたから、仕事に戻るね」
いつもと変わらない様子……?
ううん、ちょっとだけ、違うような気がする。
あたしが図書館へ行く前に、飛鳥のお父さんは確認してた。
いつ、お母さんのところへお見舞いに行くのかって。
土曜塾が終わってから行きますって答えたよね、あたし。
ほんのちょっとだけ、胸がちくりと痛んだ。
あたしのお母さん、あたしだけのお母さん。
……あたしだけのものじゃなくなりそうな、お母さん。



