……嘘!!
「どうしてですか!?」
せっかく、渡辺先生の喜ぶ顔が見られると思ったのに。
やっと、受験が終わったのに。
ようやく『参りました』って言わせられると思ったのに。
「もう、大学の卒業式が終わったから、一度実家へ帰るそうだよ。
それから……彼も色々将来の事を考えているみたいだね」
「じゃあもう、土曜塾には来ないんですか!?」
「残念ながら、そうなるだろうねぇ……」
「じゃあ、渡辺先生の連絡先を教えてください!」
申し訳なさそうに塾長が首を振った。
「ここは市の補助金も出ている塾だから、生徒とボランティアが直接連絡を取り合うこともタブーなんだよ」



