「ほら、絶対に落ちないから」 そう言って、あたしの顔を見て満面の笑みを浮かべる。 してやったり、みたいな? デカいけど反射神経もいいんですね、なんて言ってやりたいけど、やめておいた。 このしゃがれ声で、可愛げのないことを言っちゃったら、絶対後悔するもん。 ここは素直に。 「ありがとうございます。 うさぎちゃんと一緒に頑張ってきますね」 「え?」 かすれていて、マスクをかけているあたしの声は、周りのざわめきに消されてしまったみたい。 今なら、言えるかも。