「我が家はみんな予防接種を受けているから、移りにくいはずだよ。
仮に移ったとしても軽く済むから、芹香ちゃんは気にしないで寝なさいね。
この部屋なら、トイレもお台所もついてるし、冷蔵庫も使えるから便利でしょう?
明日はお店も休みだから、ここでゆっくり寝て頂戴。
とにかく早く治すことが大事だから」
そう言って、優しくお布団をかけてくれた。
部屋の中には、加湿器と電気ストーブ。
それにあたしの参考書や着替えも置いてあった。
「おばあちゃん、ありがとう」
目と鼻の奥がつんとした。
ひとりじゃなくて、良かった。
助けてくれる人がいて、あたしは幸せだ。



