塾長が電話をしてくれていたので、飛鳥のおばあちゃんがすぐにあたしを店舗側の和室に寝かせてくれた。
お米屋さんをやっている飛鳥の家は、店舗と自宅が一緒になっているから結構大きい。
店舗の奥にある和室は、お得意様をおもてなしする時に使ってるって言ってた。
「おばあちゃん、ごめんなさい。
みんなに移したらどうしよう……。
飛鳥だって受験なのに」
頭ががんがんする、寒い、関節が痛い……。
でも一番痛いのはあたしの存在だよ。
あたしのせいでもし飛鳥まで熱を出したらどうしよう。
だって、今朝まで一緒の部屋にいたんだもの。



