そういえば、暖房の近くに座っていたのになんとなく寒かった。

あたし、もしかしたら熱がある?


「星沢さん、どうかした?」


なんでもないって言おうかと一瞬考えた。

けれどこの場合、渡辺先生に相談すべきだと思った。

だって、今はもう土曜日の夕方。

火曜日は試験会場の下見、水曜日が入試当日だっていうのに……!


「寒気がするんです」


渡辺先生の顔を見ながら、打ち明けたら。


すぐに大きな手があたしのおでこにつけられた。

どきどきする……真剣な目でじっと見つめられて、あたしはますますめまいがしそうだった。


「熱があるかも知れない……ちょっと座って待ってて」