図書館に着いた。

講義室のドアを開けると、そこにはあたしと同じ切羽詰まった受験生と、熱心に教えてくれるボランティアでいっぱい。

受験が近づくにつれて、参加者が増えてきたから。


渡辺先生は、いつものように先に来ていた。


「おはよう。今日も頑張ろうね」


「お願いします」


もしかしたら、暖房が近い、あたしのお気に入りの席を空けて待っていてくれたのかな?

さりげない優しさが嬉しかった。


あたしは早速勉強の準備をはじめる。

今はないものねだりしてもしょうがない。

あたしは自分のできることを精一杯やるしかないんだから。