それから。
図書館までの道のりを並んで歩いた。
「カツどん、ごちそうさまでした」
「ああいう場では、ちゃんとスムーズにおごらせてくれなくちゃダメだよ。
俺だって一応、男で年上なんだからさ」
昼食代はちゃんとお母さんからもらってますからって言ったのに、渡辺先生は受け取ってくれなかった。
おばさんがまた
「こういう時は、男におごらせなさい」
なんて言うから、心の中で『こういう時って、一体あたしたちをどう見てるの!?』と、余計に意識しちゃった。
渡辺先生は、あんな風に言われても笑うだけ。
あたしひとりがドキドキしてるんだ。
どうしよう、はっきり自覚しちゃった。



