年上旦那様

「ななな、何っっ?!」
私はびっくりして漣さんの顔を見た。
その顔はむすっとしていて、
不機嫌MAX。
え、私、何かしたんだろうか。
「れ、漣さん…?」
「ゆゆ。いつになったら、さん付けやめてくれんの?」
さん付け?!
あ、たしかに、まだ『漣さん』って呼んでるな。
結婚式挙げて、1か月経つもんね。
いや、でも!
「ちょっと慣れないっていうか…恥ずかしい、です…。」
「ふーん。じゃあ、俺もこれから『ゆゆさん』って呼ぼうかな?」
ゆ、ゆゆさん?!
え、嫌だ…。
私は涙目で漣さんを見つめた。
「そういう顔してもダメ。『漣』って呼ばないとキスはナシ。」
えーっ!
毎朝してるのにっ!
漣さんが仕事に行く時も、
帰って来た時もしてるのにっっ!