ガヤガヤとした店内で私は一人途方に暮れていた。



メンバーが足りないからと友達に言われて合コンに付き合ったあたし。



だけどそれが間違いだったと思わされたのは、着いてすぐのことだった。



先に着いていた男子。



その中に、アヤがいた。



少し驚いて目を見開いてアヤを見れば、アヤもあたしを同じように見ていた。



だけど、そんなのは関係なくて、あたしとアヤはまたいつも通りの表向き……他人に戻った。



そしてみんなが軽く自己紹介して始まった合コン。



今はその最高潮だ。



盛り上げ役っぽい男子が王様ゲームやろう、と言えばみんなその気になって騒ぎ出す。



あたしはその空気についていけずにただ黙々と時を過ごしていたのに……。



王様ゲームとなれば自分も入っていかなきゃいけない。



それにアヤだって、他の女の子と…。



嫌な考えが浮かぶ中で、場は王様ゲームを始めた。



「やったぁー♪俺王様ーっ!」



6回目を迎えた王様ゲーム。



今まで自分が命令されたり、王様にはならずにセーフだった。



自分の番号を確かめれば“5”と書かれてる割り箸。