【改正版】好きと言わせて...。

「・・・ん?愛ちゃん何か言った?」




見ていた布から目を離し、あたしを見たなっちゃん。



「ううん、何も。」




話の内容、たいしたことじゃなかったしね。




「そう?なら良かった。あたし布とか選び出したら集中しちゃって、人の話聞いてないんだ。」




バツが悪そうな顔をした。



もしかしてそのことで嫌な思いしたことあるのかな?




「いいんじゃないかな。」



「えっ?」




「人の話を聞けないぐらい集中出来るって中々無いことだよ。それだけ服作りに真剣だってことでしょ?あたしにはそんな熱中出来たりするものがないから羨ましいよ。」




これは自然と口から出た言葉。嘘偽りのないあたしの本音。




「ありがとう、愛ちゃん。」




笑顔を返してくれたなっちゃんに、本音だってことが伝わったのかな?