【改正版】好きと言わせて...。

玄関で上履きに履きかえ、重たい足取りで地獄の階段に向かった。



一歩。また一歩と足を進める。階段を上るごとに荒くなる呼吸。




あと半分に差し掛かったところで、誰かに名前を呼ばれた。




見ると、2階から3階に繋がる階段から龍が顔を出していた。



そして、階段を駆け降りあたしの前で立ち止まった。



「何持ってんの?」




「文化祭で作る衣装の材料。」




「へー。重そうだな。」




「重いよ。腕契れそう・・・」




「ははっ。契れはしねぇだろ。」




「じゃ・・・・えっ・・・」




"じゃあ持ってみてよ"そう反論しようとした。




でもあたしの言葉より先に、龍の手があたしの手から荷物を奪った。