獅子の生きる道

建物が古いせいか、扉を開ける時も何かを引きずるような高い音が鳴る。

九畳程度のさして広くもない、そんな世界だ。

屋内は熱気に満ち溢れている。

家主は椅子に座って何か作業をしている。

熱気はそこから伝わってくるのだろう。

家主は人骨だけで出来ており、それでも体を動かしている。

どこから原動力を得られているのかは、分からない。

人骨の作業を見る限りでは、剣を生成しているようだ。

ならば、この人骨は鍛冶屋といったところなのだろう。

「ここに、何か用か?」

人骨が俺に語りかける。

「興味があったから入っただけだ」

「そうか」

人骨は作業に集中して、視線を動かす事はない。

眼自体がないので視線がどこにあるのかはわからないがな。

一つ分かるのは、俺をいないものと扱っているらしい。

「この妖気」

言葉をつむいだ後、人骨はこちらを向いた。

顔を合わせているが、不気味さだけしかない。

「その剣をどこで手に入れた?」

どうやら、俺の剣に興味があるらしい。

「知り合いから拝借しただけだ」

腰にある剣を鞘ごと手に取る。

「その剣は、伝説とまでは言わないが類似するものがある。諸刃の剣だ」

「諸刃の剣?」

使っていて、何も感じなかったがな。

「持ち主から、何も聞かされていないのか」