そんな事しか頭に浮かばなかった私は、全くと言っていいほど気付いてなかった。




気づくわけがなかったんだ……。




一人きりになった部屋の中で、翼くんが――……




「なんでって……好きだからに決まってんだろーが……」




声にもならないほど消えそうな声で、そう呟いていたなんて――……。