驚いてパッと翼くんの方を見ると、目をパチっと開けたまま私の手を掴んでいた。 「花……帰るぞ」 ちょっ……と待って! 即座に立ち上がって鞄を持ち、私の手を掴んだままスタスタと速足で歩き、教室を出ようとしている翼くん。