時は過ぎ、ついに初登校日。


「新しいクラスメイトの宮内木波。性欲にまみれて襲ったりしようもんなら俺の首がフッ飛ぶからな。その辺よーく考えて行動しろよテメーら」

担任の言い回しがアウトなんじゃないか、とか思ったりもしたが、気にしないことにした。

そう担任は気だるそうにそう告げ、大きな欠伸をした。
黒いワイシャツを第2ボタンまで外して、いかにも科学担当っぽい白衣を纏い、綺麗にセットされた茶色の髪の教師。
ホントに教師かな…?

「俺の名前は風間大雅だ、覚えとけ」

「なんか、名前も(見た目も)ホストみたいですね……………あ」

つい本音が…!!


間。


今までワイワイと盛り上がっていた生徒達の中で一瞬の静寂。



そして一気に盛り上がった。
あちこちから聞こえる喝采の声。
終いにはピューピューと指笛まで聞こえる始末だ。

『おぅおぅ転校生大雅ちゃん相手にいきなりそれかよー』

『命知らずだな転校生っ!!』

『よくやった転校生〜っ』

みんな言い方は荒いが怒ってる訳じゃなさそうだ…が。一番の問題は生徒間では大雅ちゃんと呼ばれているらしい、風間先生だ。恥ずかしすぎる。穴があったら入りたい気分だ…。転入早々怒られるなんて嫌だ。

ふと、風間先生が俺の頭の上に手を振りかざした。
叩かれる!!
と思いぐっと目を瞑り、身構える。
しかし私の頭に降ってきたのは拳骨でも平手打ちでもなく、風間先生の大きな笑い声。
そしてその数秒後に風間先生の手が私の髪をクシャクシャと撫でた。

「俺に初対面でそれを言った奴は初めてだ!気に入った!大雅ちゃんで良い。」

端整な顔が歪んでいる。
私は訳がわからず立ち尽くした。
多分頭に『?』マークがでていた事だろう。



もともと男子と女子の比率が7:3くらいなこの学校。
クラスでも数少ない女子。
仲良く出来たらいいな、

その中の割と派手目な、茶髪でクルクルと髪を巻いた子を中心とした女子達が、ヒソヒソと何かを怪訝な顔で話していた。