【短】尽忠男

そっか…まじだったんだ。

ヤベ…ヘコむわ。


「あ、そーだ!忘れてた」


急に俺は思い出したフリをした。

わざとらしかったかもしれないけど、今は志維の顔を見るのが辛い。


「どうかした?」


「昭人と今日飯行く約束してたんだった」


そんな話本当は全くしてないけど、他に理由が思い付かない。


「悪いけど、俺戻るから」


「えっ…あ、うん」


志維の目を見ることができないまま、俺は足を止めた。


「じゃあまた大学で」


「うん…バイバイ…」


はぁー…、俺何やってんだ。


最近ちょっとは意識されてんのかなとか、仲良くなれた気がしてたから、ダメージは倍になって返ってきた。


フラれたときよりヘコむって、俺も自分で意味分かんねーや。