「分かりました。控え室が空いていると思うので、そこへ来ていただけますか?」 メイク台の鏡の前に立つと、さすがに緊張する。 なんてったって、大企業のご夫人だから。 「具体的にはどんなことを?」 「私が、普段やらないようなメイクをしてほしいの」